ある日の空42 「みちのくの小京都」
この前の連休に、取材を兼ねて「みちのくの小京都」と呼ばれる
秋田県の角館を訪ねた。
しだれ桜で有名な武家屋敷は、想像していた以上の規模だった。
久保田藩の支藩である佐竹北家は、一万五千石の石高に過ぎないのにも拘わらず、優雅な佇まいの美しい町並みが残っていた。
いちばん驚いたのは、街の規模にそぐわぬ目抜き通りの道幅である。
現代の自動車道路としても、ゆとりを持って対面通行できる幅員を持っている。
傘を差したままのすれ違いが難しい道が珍しくないほど、城下町の道は狭いことが多い。角館の街を築いた人々は、先見の明があったとしか言いようがない。
幸い好天に恵まれたが、盆地の冬の底冷えは厳しかった。
武家屋敷の青柳家や石黒家を廻っている途中で、歯の根が合わなくなってしまった。
もっとゆっくり、見学したかったので、残念だった。
しんしんと冷える秋田の冬を、ちょっと甘く見ていたようだ。
帰ってきてから、次に訪ねるときのために、パタゴニアのキャプリーン4というベースレイヤーを買ってしまったほどだ。
19時過ぎのこまちに乗る前に震え上がった身体を『しちべえ』のキリタンポで暖めることができた。
歴史的建造物を活かしたインテリアもシックなお店である。
比内地鶏は、スープも肉も最高に美味かった。
先月の半ばから、シェリー酒の本場、ヘレスに行っている島崎リノさんは、アンダルシアの名物料理に舌鼓を打っているだろうか……。