★★谷津矢車先生に『脳科学捜査官 真田夏希』のご感想を頂きました!★★
- 2018/03/22 14:46
- カテゴリー:作品・お仕事
『安土唐獅子画狂伝 狩野永徳』(徳間書店)、『しょったれ半蔵』(小学館)などで大活躍なさっている歴史時代小説界の超実力派プリンス、谷津矢車先生。
ツイッターに『脳科学捜査官 真田夏希』の素晴らしいご感想をご投稿くださいました。
真田夏希と同世代でいらしゃる谷津先生から頂いたご評価、本当に嬉しくてなりません。
谷津先生のお許しを頂いてこちらに転載させて頂きます。
皆さまにも、ぜひ、お読み頂ければありがたいです。
「脳科学捜査官真田夏希」(鳴神響一 角川文庫)読了。神奈川県警初の心理職特別捜査官となった真田夏希は、ひょんなことから横浜一帯で発生した爆弾魔事件の捜査に投入されることになる。そうして彼女は自らの知見を活かして事件に関わっていくのだが……?いいサスペンスですね……! そして、真田夏希、なんたるこじらせ系女子……!
実は本作主人公の真田夏希と同い年(正確には同学年)であり、本作もう一人のある重要登場人物とは生まれ年が同じ(ただし学年は一年下)なので、夏希やその人物の見ている風景には身につまされるものがあります。それはさておき。
本作は実に現代的。本書での重大な対決シーンの多くはSNS上なのですが、野次馬たちを味方につけながら警察を翻弄しようとする犯人と、SNSやメールのやり取りから犯人のプロファイルや目的を探り出そうとする夏希のサスペンスが本作の見どころ。
SNS上での群衆たちの動きは「あるあるー」と膝を叩くことしきり。そして犯人の人物造形もまた「(認めがたいけど)あるあるー」と頷いていました。わたし、こういうタイプの人間だわ。
と、非常に現代的な作品である本作ですが、実は歴史時代小説作家である鳴神先生はその自らのルーツを誇るかのようにある仕掛けを本作に仕掛けています。 それは登場人物の名前。「真田」夏希からも分かる通り、本作登場人物は豊臣秀吉政権下の大名から取られています。
もちろんこれは一種のサービス(というか「お遊び要素」と解すべきでしょうか)なのですが、数多くいる登場人物のキャラクターの肉付けのヒントにもなっているようです。本作「石田」や「加藤」などはその典型かもしれません。
色々お話しましたが、サスペンスとして非常に読み応えのある一冊でした。
谷津先生、本当にありがとうございます。
次回作へのたしかな勇気を頂けました。
今後ともご指導ご鞭撻のほど、何とぞよろしくお願い申し上げます。
★谷津矢車先生の新刊『安土唐獅子画狂伝 狩野永徳』(徳間書店)が3月8日にご刊行となりました。
意欲的な画道小説を書き続けて来られた谷津先生が、今作ではきらびやかな安土城障壁画の誕生への永徳の闘いを描きます!
――「貴様に絵を頼みたい」。織田信長からの依頼は、計百枚にも及ぶ安土城障壁画だった。信長の機嫌を少しでも損ねたら、自分の首が飛び、家が絶えかねない。狩野派の行く末を案じ逡巡する永徳だったが、すべてを捨てて安土に向かうことを決意する。一世一代の大仕事。己の魂を筆にのせた迫真の絵は、覇王を納得させることができたのか? 天才絵師の孤独な闘いを描いた、絵師小説の決定版! (徳間書店サイトより)
写真は近所の椿です。
いろいろな椿が、いきなり満開になっています。
Pentax K-3 + DA☆ 50-135mmF2.8