★★南伽耶子さまにご感想を頂戴しました!★★
ライターの南伽耶子さまが、ツイッターに『令嬢弁護士桜子 チェリー・ラプソディー』の素敵なご感想をご投稿下さいました。
お許しを頂いてこちらに転載致します。皆さまにも、お読み頂ければありがたいです。
――鳴神響一 先生の『令嬢弁護士桜子』読了。
世田谷・大田区他からなる城南地区の外れ。多摩川駅、田園調布駅、奥沢、目黒、五反田など生活圏ともろにかぶる地域が舞台で思わず笑ってしまったし、桜子のお祖母さんや小学校の同級生、先生たちもどこかですれ違っているよう。ああいう人たち、います。
以前インタビューで、多視点の脳内カメラを駆使して物語を組み立てる、と仰っていた先生らしく、徹頭徹尾桜子さんの目線になって話を組み立てているので、陰惨な事件が起こっていても世界は穏やかでどこか優しい。その優しさは、桜子自身が『人から信じてもらえなかった寂しさ』を身に刻んでいるから。
そして同分野の警察ミステリ―・真田夏希シリーズより(初回なのに特に)登場人物の数を絞っているし、描写も濃淡はっきり。人物描写的な記述が絞られてどんどん進んでいく話の中で語られていくので、テンポが特に快い。
そして特筆すべきは『若い人たちに対する愛ある描き方』だと思います。
お嬢様でありながら適度に地に足がついている弁護士・桜子が当番になった、殺人容疑で身柄を拘束された男は冤罪を主張し、桜子もそれを直感するのだけど、そこから事件が意外な方向に転がっていく要因は、若い人に対する作者の暖かい視線だと思うのです。
そして突然のパーカー&ペネロープネタw
若者組で言うなら、畠山君と武田ちゃんがイキイキ、細川君も喰えない面がチラ見する魅力的なキャラ。そしてとっても気になる吉良さん。
身近な世界のようで、そこはフィクションのエンタメにすっきりろ過された世界。続刊を楽しみにしています。
(当地生まれの旦那は大受けしながら読んでいました)――
作者が気を遣ったところをご評価頂き、本当にありがたいです。心より感謝申しあげます。
今後ともご指導ご鞭撻のほど、お願い申しあげます。
★『大地の闇と孤独を取り込んで』~人気作家・鳴神響一
南さまには東北「道の駅」公式マガジン「おでかけ・みちこ」でインタビューして頂きました。(新田美和さま名義)