エントリー
カテゴリー「旅の想い出」の検索結果は以下のとおりです。
「梅雨が明けた!」
ある日の空 「新緑」
カラマツやシラカバを初めとする低山帯の新緑は、本当に美しい。
かなり昔のこと、今の時期に富山県の黒部峡谷鉄道沿いにある鐘釣温泉に泊まった。
素晴らしい山菜料理を頂きながら、五十代くらいの女将さんと四方山話をした中で、「わたしはここの紅葉も好きだけど、やっぱり新緑の季節が一番いいと思う」と聞いた。
僕はどちらも好きだが、生命が伸びゆく新緑の美しさは格別である。
有終の美である紅葉とは、ひと味違うさわやかさにあふれている。
ゴールデンウィークも引きこもって、ずっと小説を書いていたので、今月の末か六月の頭あたり、北アルプスの山麓にでも新緑を眺めに行きたいものだ。
が、抱えている仕事のペースを考えると、実現できるかどうかわからない……。
写真は群馬県の山の中。寝転んで新緑を眺めていたら、ジェット機が一機、白い航跡を残して飛び去っていった。
数年前の五月。法師温泉に泊まった帰り道だった。
「雨降る碧の川辺に咲く桜」
ようやく、湘南地方でも桜の花が盛りを迎えようとしている。
こんな年は珍しい。と言うか、僕の記憶にはない。
近くの街に住む老父と電話で話していたら、実家の周りの山の桜は、三十年来で一番遅いそうである。
十年ほど前まで、僕はこの時期に富山県の庄川流域の桜を毎年見に行っていた。
庄川流域は、毎年、ほぼ四月十日頃に盛りを迎えるのである。
湘南地方の桜の盛りは年度の変わり目なので、なかなかゆっくり花見ができないからでもあった。
東北地方ではさらに遅くなる。
たとえば、緯度的には最南にあたる奧会津地方ですら、山中では雪深いためか、桜が咲き始めるのは、四月の末頃である。
写りはよくないが、今日の一枚は、新潟と山形の県境付近で撮ったもの。
盛りを過ぎてはいる桜だが、白碧の川面と新緑との取り合わせの美しさに、ハッとさせられて、クルマを止めたのだった。
ゴールデンウィークに、新潟県の村上沖に浮かぶ宝の島、粟島にキャンプに出かけた帰り道だった。
荒川と米坂線沿いに東へ進み、小国を経て米沢盆地から、会津へ入って帰ってくるのがいつものルートだった。
被災地の多くは、ゴールデンウィーク前後が、桜の盛りになる土地が多い。
被災者の方々が、少しでも穏やかな気持ちで桜を眺めることができるような、そんな明日が生まれることを祈って止まない。