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カテゴリー「旅の想い出」の検索結果は以下のとおりです。

ある日の森 「森の哲学者」

エゾフクロウ

先日、友人の一人から、「動物の写真が好き」と聞いたので、空や海に加えて、野生動物の写真も少しずつアップしてみようと思う。

僕は割合と野生動物との遭遇運がよいほうで、たとえば、ほ乳類に関しては、会いたくないヒグマ以外のたいていの野生動物と出会っている。
個体数が決して多くないツキノワグマも一度だけ、出会ったことがある。
十九歳の秋に、下北半島の林道を一人で旅していたときに、僕のクルマに驚いて、林道脇を必死で逃げ走る姿を見たことがあるのだ。
残念ながら、このときはシャッターチャンスを逃してしまった。

鳥類との出会いもまぁまぁである。
オオワシ、イヌワシ、エゾフクロウなど北海道の稀少種はだいたい出会えた。 これはひとえに、大空町在住の知人のお力だったのだが……。
森の神、シマフクロウにも二度ほど出会っている。

というわけで、第一回は、知人に連れて行って貰った東オホーツクの深い森の奥で出会えた眠そうなエゾフクロウちゃんである。


ある日の海5 「日本海の夕暮れ」

田ノ浦の日没1

日本海には、ゴールデンウィークでも人の少ない海岸がある。

田ノ浦の日没1

数年前のゴールデンウィーク、新潟県の田ノ浦海水浴場でキャンプした。
宿泊予定だった、田ノ浦のキャンプ場が閉鎖されていたが、砂浜にテントを張った。

田ノ浦の日没1

人気の少ない浜辺で、ビールを飲みながら、心ゆくまで日本海に沈む夕陽を味わうことができた。


ある日の海4 「粟島の桜」

粟島の桜

今年の桜は遅かったが、桜前線が北上してきた。
首都圏でも開花の報を聞いた。
東京大学が秋の入学を検討しているらしいが、我々の中には、入学式は桜というイメージがある。

だが、雪国出身の友人は、入学式=桜というイメージを持っていない。
当然であろう。たとえば、有名な角館の武家屋敷のしだれ桜も、弘前城の桜もゴールデンウィーク頃に開花する。
地域による季節感の違いについては、柳田国男の名著『雪国の春』に詳しい。
ご紹介しようと思ったら、絶版になっているようで残念である。

追記:キンドル版で復刊されていました。
『雪国の春』Kindle版

写真は日本海にぽつんと浮かぶ粟島の桜と静かな春の日本海。
島を去る船の上から撮ったものである。
島開きに沸く粟島を立ち去るのが淋しかった。
これもゴールデンウィークの想い出である。


ある日の海3 「波に襲わる」

波飛沫

ちょっとしつこいかもしれないが、南伊豆の海の写真である。
遊歩道から入江にレンズを向けていたら、風に巻き上げられた波に襲われた瞬間の写真である。
カメラも僕も、しこたま塩水を被った……。
驚いてシャッターを切ってので、とうぜん、写りはよくない。


ある日の海2 「春嵐」

入間海岸の波しぶき

冬の西南伊豆地方の季節風は、恐ろしいほど強い。
南伊豆町にある入間の千畳敷へ出かけたときの想い出だ。

1月の初め、カメラ片手の小説の取材旅行だった。 岬へと続く遊歩道の途上、数十メートルの標高差を持つ坂道の中ほどでのこと、いきなりコップから水を浴びせられたように、顔に水しぶきがかかった。
あわてて、回りを見渡したが、むろん、誰もいない。
しばらく呆然と突っ立っていた僕の、今度は頭から水しぶきが降りかかった。
なんと、海面から巻き上げられた海水が強風に乗って、海抜十数メートルの位置にいた僕の身体を襲ったのである。
今日の一枚をご覧頂ければ、僕の話が誇張でないことがおわかりいただけると思う。
あまり写りはよくないが、遊歩道の出発地点付近で撮影した一枚である。
写真の中央付近、白い靄のように写っているのが、海面から巻き上げられた海水である。
左の防波堤やボートの大きさから推察しても、十数メートルの高さに達していることがわかる。
このような自然現象を何と呼ぶのかは知らない。
だが、強風にいきなり襲われた驚きと頬に当たった潮水の感触は、今も鮮やかに記憶に残っている。


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第6回角川春樹小説賞を受賞し『私が愛したサムライの娘』でデビューしました。同作で第3回野村胡堂文学賞を受賞。
歴史時代小説とミステリを書いています。20年来のフラメンコファンです。

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