小岩井農場は岩手山麓の原野に、東北本線が盛岡まで開通した翌年、1891年(明治24年)に開設された当時としては最先端の西洋式農場です。
写真の建造物は明治時代から昭和初期にかけて建設された施設で、国の重要文化財に指定されていながら、現在も使われています。(上丸牛舎と呼ばれる地区のみを見学しました)
写真1:明治39年築の事務所棟は展示資料館となっています。
左の一号レンガサイロは明治40年、右の二号は41年に建造されたものです。日本でもっとも古いサイロで、昭和50年まで使われていました。
後ろの雪をかぶった山は岩手山です。
宮沢賢治は、岩手山と小岩井農場の景色を愛し、何度も散策に訪れています。「小岩井農場」という長編詩も書いており、農場内には詩碑があります。
写真2:左は第二号牛舎、なんと明治41年に建てられた建物。
奥は昭和10年建築の第三号牛舎です。
ともに現在も使われていて、牛に餌をやっている作業員の方がいらっしゃいました。
一時間半程度の短い滞在ではありましたが、この地に立って、宮沢賢治が憧れ求めた近代農業の世界に思いをはせる貴重な経験ができました。
写真3:昭和9年建築の第一号牛舎。この牛舎だけはちょっと中に入れます。
こちらも立派に使われています。
"Dvořák's“New World”Symphony"
幻聴は、ドヴォルザークの交響曲第9番 ホ短調 作品95『新世界より』(抜粋)
ニューヨーク・フィルハーモニックの演奏です。
宮沢賢治がこの曲の第二楽章を愛したことはよく知られています。
賢治の愛聴盤は、J.バスターナック指揮ビクター・コンサート管弦楽団のSPレコードでした。
「家路」で知られる第二楽章ラルゴ一部分だけのレコードです。
SPレコードは片面の記録時間が5分程度でした。
Pentax K-3 + DA 18-135mm F3.5-5.6